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超純水に必要な比抵抗値について詳しく解説

本記事では、比抵抗値や電気伝導率の概要と水の比抵抗値が18.2MΩ・cmを超えられない理由について解説しています。超純水を精製するには必要不可欠な事柄のため、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

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そもそも比抵抗値とは何か?

比抵抗値とは、水の中に含まれているイオン量を指します。イオン量は別名無機物量ともいい、量と電気の伝導率の悪さは反比例の関係にあります。すなわち、イオン量が多ければ多いほど比抵抗値が小さくなります。逆に無機物量が小さいと、値は大きくなります。

またイオンが少ないほど電気を通しにくくなり、多いほど電気を通すことから、電気抵抗率とも呼ばれています。

電気伝導率と比抵抗値

電気伝導率とは、物質中における電気の流れやすさを表している値です。導電率や電気伝導度とも呼ばれており、単位長さあたりの比伝導率Sm-1(S/m)を用いて表します。値はイオンが多ければ多いほど上昇する傾向にあり、水質監視項目の一つです。

また比抵抗値とは、物質における電気の通りにくさを表す値で、単位はオームメートルです。双方は、逆数の関係にあるのが特徴でイオンの量が多いと伝導率は大きく、比抵抗値は小さくなります。一方で超純水の場合は伝導率が小さく、比抵抗値は大きい値となります。

超純水製造装置に求められる
比抵抗値

超純水製造装置で超純水を精製した場合、比抵抗値は17.5~18.2MΩ・cmです。この数値が出ると、水中に不純物がほとんどないという状態であるということを示しています。ここで留意したいのがTOC(Total Organic Carbon)についてです。TOCは有機物総量の指標を示すものであり、比抵抗値とTOCには相関がないという点です。

そのため比抵抗値には18MΩ・cmと出ているのに、有機物濃度が高い可能性があるということです。比抵抗値だけでなく、TOCの両方を測定するのが望ましいと言えます。

微量不純物で乱れるタンパク質の安定性

タンパク質の結晶化には、非常に純潔な水が不可欠です。微量のイオンや金属不純物が存在すると、溶液中でタンパク質が凝集・変性しやすくなり、結晶が形成されなかったり、結晶形が均一にならないなどの障害が生じます。

さらに、等電点付近での精製中には、微量の塩類が沈殿や吸着を引き起こすリスクもあり、結晶試料の品質や再現性が大幅に下がることがあります。また、不純物によって結晶格子に歪みや回転秩序の乱れが生じ、成功率や結晶品質が低下する恐れがあります。

HPLC分析には超純水が不可欠

HPLC や UHPLC などの高感度分析では、ピークの再現性・検出感度を維持するため、比抵抗値 18.2 MΩ・cm(Type I 超純水)を確保することが極めて重要です。このレベルの水質は、粒子・菌体・有機・イオン性不純物を極力除去することで、ベースラインの揺らぎや“ゴーストピーク”、ピークのテールや分裂などの異常を防ぎ、検出感度や再現性を確保します。これを満たさない水を使用すると、実験誤差が大きくなり、分析結果の信頼性が損なわれます。

ラボ向け超純水製造装置の安定精製には「メーカー分散」が重要!

仕事や研究で毎日使う超純水だから、高い精度で安定的に供給される仕組みをつくる必要があります。そのためにシェアNo.1の機器を導入すればいいかというと、必ずしもそうではありません。

大事なのは、精製が止まるというリスクを低減すること。私たち編集チームでは、あえて「メーカーを分散させる」ことをおすすめします。このサイトではそうすべき理由と、分散運用におすすめのメーカーを詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

分散運用におすすめの
超純水製造装置
メーカー2選を詳しく見る

水の比抵抗値が18.2MΩ・cmを
超えられない理由とは

水の無機物を限界まで除去すると、18.2MΩ・cmを超えられるのでは?と考える人も少なくないでしょう。しかし比抵抗値18.2MΩ・cmを超える超純水は存在しません。

超純水(H2O)自体も「H+」と「OH-」に解離、すなわちイオン化していることが理由であり、電気を通してしまうからです。比抵抗値18.2MΩ・cmの水とは、理論上最高の超純水と言えるでしょう。

比抵抗値18.2MΩ・cmの水を精製できる超純水製造装置

理論上最高の超純水を製造できる超純水製造装置は様々なメーカーで販売されています。ここでは、取り扱いメーカーと代表的な商品について紹介します。

Milli-Q SQ2シリーズ(Milli-Q(メルク))

Milli-Q SQ2
引用元HP:Milli-Q公式HP
https://www.sigmaaldrich.com/JP/ja/product/mm/zsq240r0tk

設置面積が小さく様々な規模のラボに活用できます。最大7年間の使用を想定した耐久性試験を行っており、UVランプの寿命を延ばすことでランニングコストを削減しています。

採水スピード 1滴から1.6L/分
比抵抗値 18.2MΩ・cm
TOC値 不明
本体サイズ 不明
重量 不明
電源 不明
供給水 不明

Milli-Q(メルク)の企業情報

会社所在地 東京都目黒区下目黒1-8-1 アルコタワー5F
電話番号 03-4531-1145
公式サイト https://www.sigmaaldrich.com/JP/ja

メルクが製造する
Milli-Q
の詳細を見る

ピューリックミュー シリーズ(ピューリック(オルガノ))

ピューリックミュー
引用元HP:ピューリック公式HP
https://puric.organo.co.jp/lineup/mu/

搭載機能を簡素化してシンプルな設計にすることで低価格・低コストランニングを実現。国内メーカーで手厚いサポートが整っています。短期間で納入可能です。

採水スピード 1.0L/min
比抵抗値 比抵抗:18.2MΩ・cm
TOC値 5ppb以下
本体サイズ W290×D428×H598mm
重量 約24kg
電源 AC100~240V 単相50/60Hz共通本体:DC24V 60VA
供給水 水道水(純水可)

ピューリック(オルガノ)の企業情報

会社所在地 東京都江東区新砂1-2-8
電話番号 03-5635-5191
公式サイト https://puric.organo.co.jp/

ピューリック
(オルガノ)が製造する
ピューリック
の詳細を見る

RFD270ND(RFU(アドバンテック東洋))

RFD270ND
引用元HP:アドバンテック東洋公式HP
https://www.advantec.co.jp/products/

蒸留水を複合カートリッジと有機物分解用UVランプに通水することで不純物を極限まで除去した超純水が採水できます。あmた、高純度蒸留水生成機構を搭載し、1台で高純度蒸留水と超純水の採水を実現しました。

採水スピード Max.1L/min(採水速度可変機能付)
比抵抗値 比抵抗:18.2MΩ・cm
TOC値 10ppb以下
本体サイズ W600×D490×H1,640mm
重量 約90kg
電源 AC200V 単相19A/50Hz
供給水 水道水(純水可)
引用元HP:アドバンテック東洋公式HP
https://advantec.icata.net/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&volumeID=ATT00001&catalogId=2168360000&pageGroupId=185&designID=ATTD001&catalogCategoryId=&designConfirmFlg=&pagePosition=L

RFU(アドバンテック東洋)の企業情報

会社所在地 東京都千代田区内幸町2-2-3 日比谷国際ビル5F
電話番号 03-5521-2160
公式サイト https://www.advantec.co.jp/

アドバンテック東洋が製造する超純水製造装置
RFU
の詳細を見る

Arium Mini(Arium(ザルトリウス・ジャパン))

 Arium-Mini Type I
引用元HP:ザルトリウス・ジャパン公式HP
https://shop.sartorius.com/jp/p/arium-mini-lab-water-purification-system/Manually-Fed-With-Pretreated-water

カラータッチディスプレイとアイコンでの操作が可能であるのが特徴で、実験用手袋を着けていても反応するため着脱の必要がありません。精製水の質の制限値が設定可能で、値を超えると警告メッセージが表示されます。

採水スピード 不明
比抵抗値 18.2MΩ×cm
TOC値 10ppb
本体サイズ 不明
重量 不明
電源 100–240V
供給水 水道水

Arium(ザルトリウス・ジャパン)の企業情報

会社所在地 東京都品川区北品川1-8-11 Daiwa品川Northビル4F
電話番号 03-6478-5200
公式サイト https://www.sartorius.com/en

ザルトリウス・
ジャパンが製造する
Arium
の詳細を見る

OSK 97IT RO-DI Dシリーズ(OSK(オガワ精機))

OSK 97IT RO-DI D
引用元HP:オガワ精機公式HP
https://ogawaseiki.info/osk-97it-ro-di-d/

全自動電子制御を採用し、難しい設定は不要です。卓上型と壁取り付け型の2種類があり、精製量別に4種類が選択可能となっています。万が一障害が出た場合はバックライトの色が変化して警告が表示されます。

採水スピード 約15L/時~約60L/時
比抵抗値 18.25MΩcm
TOC値 不明
本体サイズ 40×45×45cm
重量 約45Kg
電源 100-240V、50-60Hz/120W
供給水 不明

OSK(オガワ精機)の企業情報

会社所在地 東京都新宿区大久保2-2-9 22山京ビル
電話番号 03-3200-0234
公式サイト https://ogawaseiki.info/

オガワ精機が製造する超純水製造装置
OSK
の詳細を見る

メルクと並行運用におすすめの
超純水製造装置メーカー
2

ここでは編集チームが独自に調査した会社から、メルク社のMilli-Qに匹敵する優れた性能の超純水製造装置を扱うメーカーを、特におすすめできる機種とともにご紹介しています。
気になる機器が見つかったら、リンクボタンから直接問い合わせるか、出入りする理化学販売店の営業担当にご相談してみてください。

サポートを丸投げしたいラボ向け
手厚いサポートを
受けられる
アドバンテック東洋
RFU
アドバンテック東洋RFUのHPキャプチャ
引用元:アドバンテック東洋公式サイト
https://www.advantec.co.jp/
アドバンテック東洋の強み
  • 全国23箇所の営業所、3箇所のサービスセンター設置、全都道府県での特約店契約により、迅速なアフターサービスを受けられる
  • 独自の営業体制を整え、関連する実験機材などでもサポートできる
研究対象が大小様々なラボ向け
幅広い精製水量の
ラインナップから選べる
オルガノ
ピューリック
オルガノピューリックの製品画像
引用元:オルガノ公式サイト
https://www.organo.co.jp/products/ultrapure-water/
オルガノの強み
  • 1日10L以下の少量から、200Lレベルの大容量まで、幅広いラインナップを有しており、用途に合った無駄のないサイズの機器導入できる
  • 消耗品の点数を削減し、交換頻度も最小限に抑えることで、高止まりしがちなランニングコストを削減できる

選定条件:Google検索「超純水製造装置」で検索した結果から、ラボ向けの超純水製造装置を自社開発している、もしくは海外メーカーの公認輸入代理店であることが公式サイトに記載されている全8社を調査(2024年5月17日調査時点)
・アドバンテック東洋(RFU)の選定理由:8社の内、全国に網羅している営業所・サポートセンター・特約店の数が調査時最多で、施工や工事を請け負うグループ会社を有している(2024年5月17日調査時点)
・オルガノ(ピューリック)の選定理由:8社の内、公式サイトに掲載されたラインナップの超純水精製水量の幅がもっとも広い(2024年5月17日調査時点)